スウェーデンに一年住んだ振り返り:なぜ研究者(科学者)になる道を選んだか

前回の続き。そもそもなぜ僕は研究者になったのか。

仕事というのは、0から1を作るものと1から100にする仕事に分かれるけど、僕は0から1を作る仕事に就きたい。僕がいなかったらこの作品、出来事はなかったという成果を上げたいと思っている。そして僕が死んだ後も僕の名前が残るような成果を上げたい。もちろん悪人ではなく善人として。

上記と同じ理由だが、僕が一般企業で働きたくないのは、自分の存在意義が消されるから。例えば会社を突然退職してもすぐに穴埋めされ、自分がいてもいなくても変わらずに会社が回る。会社の製品ができたとしても、そこに自分の名前はないし、ホームページにも自分の名前なんかでないし。一方研究者は論文を出せば自分の名前が出るし、論文は不正をしなかった限り、一生残るものだし。

仕事はお金のためと割り切って、副業として自分の夢をかなえるという道もあるけど、
仕事というのは人生の中でも大きな時間を割かれるものなので、その方法はとりたくない。

そのような仕事はいくつかあるけど、顕著なのは科学者と芸術家。しかし僕は科学者を選んだ。なぜならラッセルの『幸福論』には、科学者より芸術家のほうが幸せであると書かれてあるから。理由は科学者は、専門家にわかるように説明すればよく、芸術家は非専門家にもわかるように説明しないといけないから。