僕の土日

僕は去年から北欧スウェーデンの首都ストックホルムに住んでいる。海外に住んでいても、一年も経てばもう行くところがなくなる。更に僕は友人がいないので、休日にやることがない。
しかし、僕は家に閉じこもることが出来ない。僕は自分みたいな人のことを「引きこもり」ならず「押しこもり」と呼んでいる。僕が呼んだ所で何が変わるわけでもないのだがとにかく呼んでいるのである。

行くところが特にないときには、博物館や美術館に行くことにしている。ストックホルムには無料の博物館や美術館が数多くある。休日はなるべく仕事から離れた活動がしたいと思っており、美術館に行けばなんとなく現実離れすることができ、頭が良くなった気もする。今週は土日ともやることがなかったので、土日とも博物館に行ってきた。

まず土曜日は海洋博物館(Sjöhistoriska)に行ってきた。
ここは無料の博物館なのだが、立地的に中心地から少し離れたところにあり、今まで行ったことがなかった。
スウェーデンも海に面しており、昔はバイキングにより発展した海洋国家である。その海に関わる貿易や戦争に関したものを展示している。

正直僕はあまり興味がなかったのだが、思ったよりもいい博物館だった。
多くの砂時計も展示してあった。僕は小学生の頃砂時計と水時計が好きで、よく買ってもらっていた。男は必ず集めているものがあるとよく言われているが、僕は今集めているものはない。なぜなら、僕は今定住しておらず、いつどこに行くかわからないからである。荷物を運ぶようなお金もないので今はスーツケース一個分の荷物で生活できるようにしている。しかし、この砂時計を見た時、また集めたいと思った。


海洋博物館は1時間ほどで出て、次はその隣りにある技術博物館Tekniska museetに行く。ストックホルムには科学博物館が2つあり、1つはストックホルム大学の近くにある科学博物館、もう1つがこの技術博物館である。日本で言うと前者が上野の国立科学博物館、後者が科学未来館に似ている。

 博物館自体はそこまで大きな博物館ではないが、視覚的にも面白い博物館だった。子供向けの空間が比較的多い。

日曜日は、現代博物館に行ってきた。現代博物館の行き方をGoogle mapで調べると、「2週間前に訪れました」と表示された。そうだ、僕は2週間前もこの美術館に来たのである。Google mapは、今僕達が移動した履歴を記録しているらしく、何日にどこに行ったかというのを見ることが出来る。僕はスマホを持っておらず、オフラインのタブレットのみ持っているのだがそれでもかなり正確に記録されている。おそらく近い未来は、何を買ったかも記録され、「あなたは今ハンバーガーを食べたいのですね」とか、「今週末はプールに行きましょう」とかスマホが提案してくるに違いない。そうなってくると、一体自分で動いているのかコンピューターに動かされているのかわからなくなってくるのではないか。
僕はこの美術館に何回も来たのだが、正直誰が描いたなどほとんど見ていなかった。今回はそれをしっかりみることにした。ムンク、ダリ、ピカソなど近代のアーティストだけでなく、草間彌生やアンディーウォーホルなど現代の有名なアーティストの作品もある。

僕は今アートとは何なのかというのをよく考えている。それは哲学的な難しいことではなく、特に現代アートがどうすごいのか意味がわからないからである。青一色の絵など何がすごいのかよくわからない。しかし、最近アートも知識がないとわからないということがわかったので、少し勉強したいと思っている。

ということで、今週は終了。