現代アート作品の価値はどうはかるのか


ポンピドゥー美術館


ヨーロッパに来て、日本にいるときに比べ美術館や博物館によく行くようになった。同時に現代アートをよく見るようになった。

僕は、正直現代アートというのがよくわからない。美術館という非日常的な空間自体は好きなのだが、作品自体はわけがわからないものを作っているとしか思えない。一体作品がどうすごいのかよくわからないのである。

すごいとかそういう評価自体ないのだろうか。そんなことはないはずである。なぜなら美術館のスペースは決まっており、展示される作品は決まるわけなのだから、かならず美術館側は作品を選ばないといけないのである。その時に、どういう基準で作品を選んでいるのか僕にはよくわからない。

現代・古典限らず、基本的には作品の価値は以下の2つで決まってくる。

一つは作品自体が現実に近いかどうか。絵が上手いか下手かの基準は、いかに現実に近いかどうかである。彫刻もしかり。ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなど、古典的なアーティストの基本は絵が上手いかどうかで作品が評価された。
モナ・リザ。純粋な絵の素晴らしさの他に作者や絵そのものの知名度で作品の評価は変わる。


もう一つはその作品の背景。例えば作者やその時代など。作者によって作品の価値は変わる。現代は、油絵の凸凹まで再現できる技術があり、ほぼ本物と見分けがつかない。その点においては、作品自体の素晴らしさは変わらないのだけど、やはり有名な人本人が実際に触って描いた作品の価値には遠く及ばない。人工知能を使って、もしレンブラントが生きていたらこういう絵を描いただろうという絵が発表されたが、それでもレンブラント本人が描いた絵には遠く及ばない。ピカソが描いた絵も、もしピカソが描いてなかったら必ず捨てられていただろうという絵がたくさんある。
ピカソの絵。オスロ美術館にて。


以上の二点は、現代アートの価値には関わってこない。例えば、現代アートは現実に近いものを作らず、逆に現実から遠いものを作っているからである。作品の背景も、現代であればあるほど価値はない。現代アーティストのほとんどは無名なのだから、作者自体の価値はほぼないのである。
ストックホルム現代美術館

何か、現代アートを説明してくれる人や本があればいいのだけど、少なくとも美術館の説明を読んでいるだけではさっぱりわからない。