[IS]オーロラを見に行く2:ひたすら氷河へ

この旅はウェブサイトにまとめてあります。

前日の夜にアイスランドに到着したときは大雨でオーロラどころではなかったが、次のはなんとか雨は降っていない。

僕はアイスランドの観光に関してはほとんど調べていないので、朝に友人とどこに行くか話し合い、ヨークルスアゥルロゥンという湖に行くことになった。何回聞いても覚えられそうにない名前である。ここは氷河が流れ、アザラシが泳いでいる湖らしい。9月のアイスランドは寒いとは言っても、雪がふるほどではないので本当に氷河があるのか疑問ではあったが、かと言って他に行くところがわからないのでそこに向かうことになった。

レイキャビクからその湖は車で6時間ほど。普通であれば1泊2日程度で行くところなのだが、僕達にはその時間はないので日帰りで強行することになった。どちらも海外での車の運転は初めて、さらに天候は安定せず疲れる運転となった。


途中、ガソリンスタンドで珈琲とパンを買う。アイスランドは僕が今まで行った国の中で最も物価が高く、珈琲とパンだけで800円ほどした。


レイキャビクを出て少しするととんでもない絶景になるが、永遠に同じような景色で流石に飽きてくる。アイスランドは日本と同じ火山の島であるが、島自体が新しく肥沃な大地ではない。さらに寒冷な天候であり、木があまり生えないのである。野菜等もほとんどは輸入に頼らざるを得ず、EUであるとは言え、輸送費がかかるため貧弱な野菜を高額で買わないとならない。アイスランドは「世界一幸福な国」とされ、さらに自然エネルギーだけで電気を賄っているため、日本ではときどきアイスランドを見習えと言う輩がいるが、環境が全く違うため、見習ったとしても真似ることは絶対にできないだろう。


運転を交代しながら、なんとか氷河湖に着いた。最初は心配していたが、たしかにたくさんの氷が湖に溜まっていた。この湖は小さな川で海とつながっており、海から氷河がゆっくりと湖に入っていき、溜まっていくのである。よく見るとアザラシも顔を出して泳いでおり、氷よりもアザラシのほうがテンションが上ったと友人が言っていた。この氷河の間をぬって進むボートツアーもあるのだが、また5時間かけて戻らないといけないので乗らなかった。

この湖の向かい側の浜は、ダイヤモンドビーチと呼ばれており、氷がビーチに転がっている異様な光景を見ることができる。たしかにきれいではあるが、氷を長く見ていても氷は氷であるので、5時間かけてたどり着いたこの地を、1時間未満の滞在で去ることになった。




なんとか氷河湖には到着したので、帰り道は寄り道をしながら帰っていくことにした。そのうちの1つは「地球の割れ目」と呼ばれる場所である。アイスランドは北米プレートと大陸プレートの境界にあり、大地がまさに「パカッ」と割れているのである。数万年後にはもしかしたらアイスランドは二つに割れ、西アイスランドと東アイスランドという別の国になる可能性もあるが、少なくとも今生きている僕達はあまり気にしなくていいだろう。

 崖だらけのアイスランドは、いたるところに滝がある。日本であれば、いざ滝があればそこに遊歩道ができ、お店がたちまんじゅうやアイスクリームを売り始めるが、アイスランドで一々そんなことをしていたら、アイスランド国民全てが売店で働かなくてはならなくなってしまいそうだ。
実際、僕はわざわざ滝を見に行くという感覚がよくわからないのだが、せっかくアイスランドまで来たのだから滝があればよっていく。

この写真の滝は、階段があり、上から滝を見ることができるので登ったが、上についたときには二人共酸欠気味になり、滝どころではなかった。さらに一気に大雨になり、ずぶ濡れになりながらこの滝をあとにし、宿に向かう。

宿に到着したときにはもう真っ暗になっていた。雨は降っていないが曇りで、とてもオーロラが見えるような雰囲気ではない。残るチャンスはあと1日。中々見れるものではないとしても、ここまで来たのだから出来れば見てみたい。明日に賭け、今日はスーパーでチキンヌードルを買って夕食にする。1400円だけどね。