僕の友人と人生について話す

オーストラリアに住んでいる友人から連絡が来た。その友人は、オーストラリアの永住権を取得するためにもう10年以上オーストラリアに住んでいる。先日英語のテストが受かったと言って、ビザ取得の準備のために日本に一時帰国していた。しかし、技術試験がパスできなかったと言って、結局まだ永住権は難しいらしい。

僕も本当は2016年の4月にウィーンに行き予定だったのだけど、3月にいきなりキャンセルになった。海外で働く優秀な研究者を名乗るはずが、ただの無職になったのである。僕はその時息ができなくなるほどショックだったが、その友人は10年以上も永住権に向けて走ってきたから、今回の出来事はショックだったに違いない。

永住権をとるチャンスはまだ残っているけど、友人は少し心が変わっているらしい。というのも、永住権を取ったとしても、その後に何をしたいのかが明確にわからないらしい。今までは永住権を目標にしていたとしても、それが終わろうとしたときに、次の目標が何かわからないそうだ。

この気持ちもよく分かる。ブログでも何回か言っていたが、僕自身何を本当にしたいのかが明確にわからない。ラッセル幸福論では「他人の目を気にせず、賞賛を求めずにただただ自分がやりたいとおもう事をせよ」と書かれてあるが、一体それ何なのかまだわからない。

本当にやりたいことを見つけている人はそんなに多くないと思う。ただ、そのことを本気で考える機会は、そんなに多くないのかもしれない。大学を卒業し、終身雇用の会社に入る。会社に慣れてきた頃に結婚し、子供が生まれる。いわゆる正しいレールに添っている人は、そんなことを考えている余地を与えられないのだ。

僕もその友人も結婚はしておらず、度々人生の選択を迫られる。僕だって、来年の11月にはどこで何をしているのかわからない。自由といえば自由なのだが、その分自分で決めなくてはいけないことが多い。さらに、どちらも正直優秀ではなく壁を超えられないことが多い。自分で選んだのだからしょうがないけど、何も考えずに生きていきたいとも思う。

来年、僕はその友人とオーストラリアでパン屋を開いているかもしれない。