セムラと偽セムラと美味しさに対する視覚の重要性について
セブンイレブンの広告にこういうのがあった。
この写真のどちらがセムラであるか。
セムラというのはスウェーデンの伝統的な菓子パンで今の時期によく食べられる。カルダモン風味のパンにクリームがたっぷり挟まっている。
この二つの違いがよくわからなかったのだが、今日同僚が両方のセムラを買ってきてくれたので、違いが明確にわかった。偽物は右側なのだが、右側はカルダモン風味のパンの代わりに、ドーナツで生クリームを挟んである。上手く言えないけど、カレーパンの外側のパンに砂糖を真っ白になるまでかけてあるようなものです。
偽物なのだけど、僕はそっちのほうが美味しく食べることができた。
何回か言ってきたけれど、美味しいかどうかを判断するのは、今までの経験によって大きく左右される。
美味しいと感じるということは、食べ物を目で見て、今まで経験してきた食べ物と照らし合わせて食べる前に味を想像し、その想像の延長線上にあるものを美味しく感じることができるのである。
だから伝統的なセムラというのは僕はあまり美味しいとは感じられない。パンがいささかパサパサしすぎている。その一方で脂っこいドーナツで挟んだ偽物のセムラは日本でも売ってあるような甘い菓子パンの延長線上であり、見た目から僕の経験の延長線上にあるものなので美味しく感じることができた。
伝統的なセムラがうまいと感じるようになったらスウェーデンに定着してきたということでしょう。