世界遺産ビルカ へ行く

ビルカという島に行ってきた。

ビルかというのはストックホルムの西の端にある島で、 ヴァイキング時代に栄えた島として今は世界遺産に登録されている。

ストックホルムに一年半以上住んでいると見るところはもうほとんどなくなってしまい、残るはこのビルカぐらいになってしまった。しかしここは公共の交通機関だけではいけないところだったのでなかなか行く機会がなかった。いや、行く機会がなかったというよりかは、腰が重くてなかなか行くのがめんどくさかった。なにより、予め船を予約しないと行けないのだ。やっと重い腰もあがり、満を持して行くことになったのである。

先程言ったように、ビルカに行くためには船を予約しなければいけない。一番安い290 kr の船を予約した。出発するところはホーブゴーデンというところである。ここまでは電車とバスで行けるのであるが、乗り継ぎが非常に悪かった。船は11時半に出発するのだが、いい時間に着くバスがなく、結局家を7時半に出て、9時半に到着するバスしかなかった。眠たい目をこすりながら7時半に家を出て、コンビニでパンとコーヒーを買ってバスに乗り込んだ。9時半ぴったりにホーブゴーデンに到着し、目の前にある教会の庭でそのパンとコーヒーを食べた。

そこへ地元のおばあちゃんが散歩に来ていたらしく僕に挨拶をしてくれた。どうやらこの教会は今日の午後6時に 音楽があるらしくそれを教えてくれた。スウェーデン語だったがなんとなく意味はわかった。平和な場所である。少し休んで、その周りを歩くことにした。




このホーブゴーデン自体も世界遺産で、実際に王様が住んでいたのはこちらがわらしいのだが、遺跡のほとんどはまだ掘り返されていないらしく、ただの平野である。さらに、敷地の中に牛が放牧されておりなかなか怖くて中に入ることはできなかった。


そうこうしているうちにあっという間に出発時刻の11時半になった。そこの港で待っていた人たちと船で ビルカに向かう。15分ほど進んで、島に到着した。歩いて100 M ぐらいのところにある 博物館の椅子で待機し、12時半からのガイドツアーというのに参加することにした。ガイドツアーはスウェーデン語と英語の2つがあり、2つに分かれる。客のほとんど、おそらく僕以外はスウェーデン語がわかるらしく、大部分がスウェーデン語のガイドについて言ったが、数人は人数が少ないほうがいいからと、英語のガイドについていくことになった。危うく僕とガイドのおじさんのマンツーマンになるところだった。

ビルカは、墓がたくさんあり、他の国からもわざわざ死体を埋めに来るところであったらしい。だが、研究はほとんど進んでおらず、なぜ人々がこの地にわざわざ遺体を埋めに来たのか、全くわかっていないらしい。一時期はバイキングの4大都市の一つにも数えられていたらしいのだが、なぜこの島を選んだのかはわからない。そもそも大陸からはそんなに離れていないのだから、大陸の方に文明を作ればいいようなものなのだが。

同様に、東アフリカのタンザニアにも、キルワというイスラム時代に栄えた島がある。ここも一時期は東アフリカを牛耳るほどの権力を持っており、大陸にも近いのだが、わざわざ大陸ではなく島に文明を作った理由はわかっていない。島は防衛の上では非常に役立つので、もしかしたらその理由なのかもしれない。

ガイドツアーは、シェルターとして使われていた、この島で一番高い丘に登り終わった。その日はスウェーデンとしては珍しく30度まで上がり、日陰のない中でツアーに参加していたので少し熱中症のようになった。水は持っていたのだが足りず、降りて博物館で買った。帰りの船が来るまで博物館の外にある椅子で休み、また同じ船でホーブゴーデンに戻った。そこで街に戻るバスが来るまで一時間以上あるので、教会の庭でひたすら待ち続けたのである。