バルカン半島の旅 その3

次の目的地は、観光地としてヨーロッパ人に有名なクロアチアのドゥブロヴニク。またクロアチアに入国することになる。

サラエボに来たときと同じく、バスはひたすら山道を進む。西の方角、つまりアドリア海側に進んでいるようで、途中にクロアチアに入国した。当然のことながら、ここでもパスポートチェックに一時間ほど取られる。

クロアチアの地図をよく見ると、ドゥブロヴニクはクロアチア本土と陸続きではなく、飛び地になっている。間にはボスニアのネウムという街がある。これは、ボスニアで唯一海と面した街となり、このような地帯を「回廊地帯」と呼ぶらしい。このまま通れば、また再びボスニアに入国し、少ししてクロアチアに入国する。恐ろしく時間がかかると思ったが、これらの国境は、警察がバスの中に入ってパスポートをチェックするだけという簡易的なものだった。

ほどなくして、ドゥブロブニクに到着した。今まで人気がほとんどない場所を通ってきたが、この一体だけではヨーロッパ人で溢れている。海も透き通り、わかりやすいリゾート地だ。このドゥブロヴニクの旧市街は、「アドリア海の真珠」とも言われるほど美しい街並みで、1979年に世界遺産に登録されている。海洋貿易によって栄えた都市で、15世紀には、この地域の中でも突出して発展していた。日本人にはまだあまり馴染みはないが、ヨーロッパ人の間では有名なリゾート地として名を馳せている。

本当は海に入ろうと思い、今回の旅では海水パンツも持ってきたのだが、旧市街周辺には泳ぐところはなく、諦めた。レストランでイカ墨のリゾットを食べ、またバス停に戻る。移動はまだまだ続く。

この日、最後の目的地はモンテネグロの首都ポドゴリツァである。本当はドブロブニクのすぐ南にあるコトーというところで、一泊しようと思ったのだが次の移動の利便性を考えて、ポドゴリツァにした。相変わらず時間のかかる国境越えを経て、深夜一時半にポドゴリツァに到着した。

予約したバスターミナルからホステルまでは歩いて5分程度。車に乗った男が、「あのホステルに泊まるんだろう」と話しかけてきた。はじめは怖くて無視していたが、恐る恐る返事をし、車に乗る。この男性は本当にそのホステルの管理人だったらしく、ホステルまで乗せてくれ、鍵を開けてくれた。深夜に僕が到着するまで待っていてくれた良い人であった。旅先で話しかけてくる人を信じるか信じないかは難しい問題である。

部屋はドミトリーではなく一人部屋。大きな部屋であった。素早くシャワーを浴び素早く眠った。次の日の朝7時におき、チェックアウトをする。慌ただしい旅である。

ポドゴリツァの見どころは、はっきり言ってなにもないと言っていい。強いて言えば小さな時計台ぐらいである。

今日はつかれたのでこの辺で・・・