なぜコマンドプロンプトはあまり使われないか
Windowsのコマンドプロンプト(CMD)が技術者にあまり使われない理由はいくつかあります。主な理由を挙げると以下の通りです。
### 1. **機能の制限**
- **コマンドの豊富さ**: Windowsのコマンドプロンプトは、LinuxやmacOSのターミナル(Bashなど)に比べてコマンドが少なく、操作の自由度が低いです。LinuxやmacOSでは、シェルスクリプトを使った自動化や強力なツール(`grep`, `awk`, `sed` など)が豊富に用意されているのに対して、CMDはそのような高機能なツールを標準では持っていません。
### 3. **クロスプラットフォームツールの普及**
- **LinuxやWSL(Windows Subsystem for Linux)**: 現代のソフトウェア開発では、Linux環境が主流であり、特に開発者や技術者はターミナルを使って様々な操作を行うことが一般的です。Windows上でもWSLを使って、Linuxのターミナル環境を実行できるため、Linuxのコマンドラインツールをそのまま使用できる利点があります。このような背景から、Windowsの標準のCMDはあまり使用されなくなっています。
### 4. **Unix系システムとの親和性**
- **Unix系システムの普及**: 多くの技術者は、サーバー管理や開発作業でUnix系(Linux/macOS)を使っています。これらのシステムのコマンドラインツールに慣れている技術者にとって、Windowsのコマンドプロンプトは直感的でなく、作業効率が低いと感じることが多いです。
### 5. **学習とコミュニティ**
- **学習コスト**: WindowsのCMDは、Unix系システムのシェルに比べて習得するための資料や情報が少なく、初心者にとっては学習の敷居が高いことがあります。一方、LinuxやmacOSのシェルには、インターネット上での情報が豊富で、技術者が学びやすい環境が整っています。
これらの理由により、技術者が主にWindows環境で選ぶコマンドラインツールは、CMDではなくPowerShellやLinux系のツール(WSLやCygwinなど)になっているのが現実です。