ラバラカ(モロッコ)
エジプトに続き、アフリカ料理第二弾はモロッコである。本当はサハラ以南のアフリカ料理をいただきたいがなかなか探し出せない。モロッコ料理であればある程度知れ渡ってるし、探せばいい店が見つかると思い探したら、京都市の八坂神社の近くに良さそうな店を発見したので行ってみた。
京都駅から歩くと少し時間がかかる。
名前はラバラカという店である。
京都駅から歩くと少し時間がかかる。
店は地下にあるが、入り口の付近にモロッコの国旗が掲げられている。
店内はそこまで広くはない。午後2時という中途半端な時間に来てしまったため、客は誰もいなかった。店は(おそらく)モロッコ人の男の人と、その日本人奥さんの二人である。
メニューはおもにタジンかクスクスだった。僕はビーフタジンのセットと、モロッコティーを注文した。
モロッコはアフリカ大陸にあるが、地中海を隔ててヨーロッパのすぐ南にあるため、イタリア・スペイン・ギリシャとともに「地中海食」として区分されている。イスラム教であるため豚肉を使った料理はないが、オスマン帝国に所属はしていないため、近隣諸国のようにトルコらしい感じもない。日本でも少し前に流行ったタジン鍋はモロッコのものである。今回はそのタジン鍋を頼んだ。
まず、セットの前菜が来た。左からホブスパンというモロッコのパン、ハリラスープ、皿である。奥さんがいろいろ料理の説明をしてくれた。
ハリラスープはモロッコの家庭でもよく飲まれているスープである。ラマダーンの時期は、日が暮れるまで飲食ができない。その分日が暮れたあとはお祭りのように食べる。その際に飲むのがハリラスープだという。この店のスープはトマトベースで、中に肉や豆などが入っており美味しい。
そしてメインのビーフタジンが来た。タジン鍋に特徴的な蓋は、持ってきた際に下げられた。スープがグツグツ煮えており、熱そうだ。
日本でも流行ったが、タジン鍋は基本的に無水で作る。あの特徴的な蓋が、野菜等の水分をうまく活用している。野菜の中にはビーフが入っている。ふりかかっているスパイスは、この店ではなんと99種類も使っているらしい。奥さんいわく、スパイスは「生薬」と考えられており、その家庭によって使うスパイスが違っているため、スパイスの調合により家庭の味を生み出しているそうだ。
この鍋は最高に美味しかった。スパイス臭くもなく、野菜や肉が歯がなくても噛めるほど柔らかい。具を食べ終わったあと、ホブスパンでスープを掬って食べてくださいと奥さんに言われた。
食後はモロッコティーが来た。
モロッコに旅行に行った人はよく「ミントティーが美味しい」と言って帰ってくる。そのミントティーを飲んでみたかった。コップの上にミントが泳いでおり、砂糖が入っていて甘くなっている。ポットにもティーが入っているので、複数人で一つ頼めば十分であろう。このポットは熱くてとても素手では触ることができなかった。
手前の黒いものは生デーツである。乾燥のものは帰るが、生のものはあまり手に入らないそうだ。ほのかに甘くて美味しい。
とても美味しかったが一人ではちょっと量が多すぎた。二人でタジン鍋とモロッコティー一つでちょうどいいかもしれない。