アイデンティティとは、アイデンティフィケーションと同義であり、他者と自分を分けるものである。僕はアイデンティティをユニークな仕事であると思っていた。僕は研究者だが、研究者や芸術家は誰もやっていないユニークな仕事をしなくてはならない。しかし、ユニークな仕事だけがアイデンティティ構築ではない。 例えば、『所有とは何か』で、タンザニアのインフォーマル経済で暮らす人たちの話があった。彼らはモノを所有せず、かつ仕事もだれでもできる仕事を20個ぐらいやっている。「Kazi ni kazi」と、仕事は仕事であると割り切っていて、仕事をアイデンティティと思っていないし、実際に同じような仕事をしている人は山のようにいる。 彼らはどこにアイデンティティを感じるか。それは人のつながりである。彼らは裏切られるとわかっている場合でも、贈与をするのである。つまり、やっていることは多くの人がやっていることだが、特定の人とのつながりは、その人固有のものであり、そこにアイデンティティを感じるのである。 家族が簡単な例だろう。例えば、ある人の子供は自分だけであり、自分の子供にとって、親は自分だけである。それと同様にこの人とこの人との友人は自分であるなど、人のつながりを考えると確実に、自分は唯一無二の存在になる。そうやって、アイデンティティを自分が所有するものや、肩書、業績などではなく、つながっている人によって定義することもあるのである。 https://docs.google.com/document/d/1Egf9pXn8bl-GgIiUsazUDDRuNTuqa_pe3MObLTGDN34/edit?usp=drive_link, https://docs.google.com/document/d/1eD-V0z52ty9ncI9sQ8abtSim8yZpLW4-NvwPCG8y-ro/edit?usp=drive_link, https://docs.google.com/document/d/1qBeYEyYu7PP94N29VsEOjadGUHDyvRWs-fzk3RhR1Xo/edit?usp=drive_link, https://docs.google.com/document/d/18UVUgdUuq13BY11FXlJVIyQNzp4Gf_R0pYvPudPzkVg/edit?u