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星と星座とTwitter

もうとっくの昔に終わってしまったんだけど、横浜トリエンナーレという去年あった芸術祭のテーマが「島と星座とガラパゴス」というタイトルだったらしい。 キュレーターの意図とか全く知らないんだけど、人同志が簡単に繋がりやすくなっているようで実はとても希薄になっている現代をイメージしてつけられたのかなと思った。 SNSの代表としてTwitterと、星を関連させて説明してみる。Twitterのアカウント(人)が1つの星。星は自分と似た人たちをさがして、繋がって星座を作る。そのつながりを強めるために、威勢のいいことを言って「いいね」をもらう。 でも、その星座は、自分だけが見えている見かけの線でつながれているだけ。H2Oの水素と酸素のような結合とは違う。自分だけが見えているだけだから本当はつながってなんかいない。それを証拠に、アカウントを消した所で、他の星に何の影響もない。 あたりを見渡すと、自分が特別な星だと思っていたけど、ただ宇宙にある無数にある星のうちの1つにすぎないことがわかり、より孤独感を感じてしまう。 僕は、旅好きな人とつながりたいと思って、Twitterをちょっとやったけど、すぐやめてしまった。理由はTwitterなんかやっても幸せになれないからなんだけど、他の人ってTwitterやってて幸せに感じてるんだろうか。

セムラと偽セムラと美味しさに対する視覚の重要性について

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セブンイレブンの広告にこういうのがあった。 この写真のどちらがセムラであるか。 セムラというのはスウェーデンの伝統的な菓子パンで今の時期によく食べられる。カルダモン風味のパンにクリームがたっぷり挟まっている。 この二つの違いがよくわからなかったのだが、今日同僚が両方のセムラを買ってきてくれたので、違いが明確にわかった。偽物は右側なのだが、右側はカルダモン風味のパンの代わりに、ドーナツで生クリームを挟んである。上手く言えないけど、カレーパンの外側のパンに砂糖を真っ白になるまでかけてあるようなものです。 偽物なのだけど、僕はそっちのほうが美味しく食べることができた。 何回か言ってきたけれど、美味しいかどうかを判断するのは、今までの経験によって大きく左右される。 美味しいと感じるということは、食べ物を目で見て、今まで経験してきた食べ物と照らし合わせて食べる前に味を想像し、その想像の延長線上にあるものを美味しく感じることができるのである。 だから伝統的なセムラというのは僕はあまり美味しいとは感じられない。パンがいささかパサパサしすぎている。その一方で脂っこいドーナツで挟んだ偽物のセムラは日本でも売ってあるような甘い菓子パンの延長線上であり、見た目から僕の経験の延長線上にあるものなので美味しく感じることができた。 伝統的なセムラがうまいと感じるようになったらスウェーデンに定着してきたということでしょう。

[DE→PL]寒波の中 最終回:ワルシャワへ行っただけ

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定刻にベルリンを出発し、深夜バスはポーランドのワルシャワへ向かう。途中おそらく国境でパスポートチェックがあった。係員がバスに入ってきて、一人ずつパスポートを調べる。入国拒否される理由などないので、堂々としていればいいのだけど、どうしてもこの瞬間は緊張してしまう。 パスポートチェックが終わり、再びバスの照明が消え走り始める。リクライニングを倒し、足置きをあげて底に足を置くが、なんとなく金属の板の感触がある。暗くてよくわからなかったが、朝起きてみるとそれは前の若者のMac bookだった。思い切り踏んづけなくてよかった。 ワルシャワへ到着した。雪が降っていてベルリンよりもさらに寒い。 ポーランドはもちろん初めて入国する。実はスウェーデンの隣国で、ストックホルムから船で行けるぐらいの距離なのだが、あまり他のヨーロッパ諸国に比べ印象が薄い。北欧でもなく、西欧でもない。かと言って中欧や東欧のような雰囲気でもない。EU加盟国なのだが、どことなく共産主義的なイメージもある。 ポーランドのイメージもほとんどないが、ワルシャワ自体の知識も殆どないまま来てしまった。朝の九時に到着し、昼1時にはストックホルムに向かう飛行機に乗らなくてはいけない。その少しの間で、朝食でも食べようと中央駅に向かい、外に出たが店があるような雰囲気もなく、結局なにもしないまま空港に行くことにした。 「一体あなたは何のためにワルシャワまで来たんですか」と聞かれても困る。僕はワルシャワまで来て、何もせずストックホルムに帰るのだ。「欧州を陸路で繋ぐ」という無意味に近い旅をしているせいで、無駄な移動をしているのである。次来たときはしっかりと調べてワルシャワを観光しよう。 空港に向かうため電車のチケットを買う。今回のチケットは時間が指定されており、10:05に出発する。出発する時間はわかるが、ホームがどこかわからない。出発する少し前に、スマホをいじってる女性に声をかけてどこのホームか聞いた。女性はスマホで調べてくれているようだが、その間に彼女が乗る電車が来た。時刻は10:05.もしかしてこの電車に乗るのではと思い、僕もその女性に続いて電車に乗ろうとしたが、女性はこの電車じゃないと言った。10:05に出発する電車はこの車両しかなさそうだが、彼女は自信を持ってこの電車じゃないと言い、電車のドアが

[DE→PL]寒波の中 その4:夜のベルリンをフラフラ

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イーストサイドギャラリーからまたベルリンの街に戻る。午後五時だがもう真っ暗になってしまった。年末にねん挫した足がまた痛み出し、ズキズキする。ベルリンの街は寒くて暗い。寂しくて、ダウンロードしていたポッドキャストを聞きながら歩く。 本当はペルガモン博物館という所に行こうとしたのだが、この博物館のメインである「ペルガモンの大祭壇」が改修中でみれないということで、その博物館には行かず、そのかわりにベルリン大聖堂に行った。僕はたいていの場合その土地で一番大きな教会によることにしている。その理由は単純で、街は基本的に教会を中心として作られているからである。 ベルリン大聖堂 ネットで調べたところ、教会は午後8時まで空いているはずだったが、午後5時以降はミサをする人のみが入ることができるということで中に入ることができなかった。仕方がないので次の名所であるホロコースト記念碑へ向かう。この場所は、ホロコーストで犠牲になったユダヤ人の記念碑が並べられている場所なのだが、暗くてただのコンクリートが並べられている場所という感じだった。 ホロコースト記念碑 寒い中をずっと歩いていると体が冷え、腹が減ってきた。僕はドイツを非常に暗い場所だと思っているが、良いイメージなのは食べ物が美味しいからである。しかし、ベルリンに着いてから全く何も食べていないので、ここで暖かいものでも食べようと思った。しかし、あたりを見回してもレストランが見当たらない。ここはベルリンでもかなりの中心のはずだが、食べるところがない。ようやくブンデンベルグ門の広場にパン屋を見つけたのだが、「もう閉まるからテイクアウトしか無い」と無愛想に言われ、しょうがなくパンを勝って外で食べた。 ブンデンベルグ門とかじられたパン パンを食べ次の目的地のチェックポイントチャーリーへ向かう。ここは、東西ベルリンが分断されていた時に検問所となっていた所で、今でもアメリカとソ連の国旗を持った人が立っているそうである。この場所は中心から結構歩く。痛む足を引きずりながら寒い街を歩いていった。 しばらく歩き、チェックポイントチャーリーへ到着した。そこには確かに軍服の人が立っていたが、二人ともアメリカ国旗を持っていた。観光客もおらず、寂れた感じなので、遠くから写真を撮って戻った。 チェッ

『君たちはどう生きるか』まとめ

この本、昔読んであまりピンとこなかった。今読んでもあまり面白いものではないな。 客観的に生きる。世界は自分を中心に回っているわけではない 様々なものを体験し、自分で考えよ 他人が望む行動をするのではなく、自分が望む行動をせよ どんな人間でも人間らしく生きる権利がある。 人間は誤ちを修正できる能力がある。 世間の流れを正しく推し進めていかなければならない。

研究中に出るゴミデータ

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上記の写真は研究中に撮った顕微鏡写真です。あまり詳しくは言えないけど、120%使えない写真なので載せます。 上のほうが、青いのが少なくて、下のほうが濃いですよね。 でも、本当は逆に上のほうが明るくなるはずなんです。全く反対の結果が出て、「なんにもいえねえ」って状態ですよ。まじでどうなってん。 まぁ、よくわからない写真を見せられて、よくわからないことを言われてよくわからないと思ってるでしょうが、とにかく研究ってお金がかかるんです。 家一軒建つほどのお金を使って、パソコン一台分のデータが出るんですが、実際に使うのは、写真三枚とかそんなもんです。論文も英文で六ページ程度。ほぼ99.999%はごみで、0.001%のエッセンスだけを書いて論文にする。バオバブの木から一本の爪楊枝を作るようなものです。 別にそれは悪いとは思えません。世の中も、膨大な基礎研究のエッセンスを集めてお金を稼いでいるので、結局はプラスなんだろうと思います。しかし、この基礎研究で出る膨大なゴミ(物理的なゴミ、いらない情報など)をどうにかして有意義なものに変換できないかなと思ってます。

こういう盛り上がり、やっぱ嫌いやな〜

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イーロン・マスクって知ってますか?僕は名前ぐらいしか知らないけど、とにかく超すごい経営者です。スティーブ・ジョブズなんか目じゃないくらい。 そんなイーロン・マスクが、巨大ロケットを打ち上げたそうです。 しかもロケットを打ち上げたあと、ちゃんと戻ってきて着陸するっていうね。再利用可能なのかな。 打ち上げたのはイーロン・マスクの車らしいんだけど、車に宇宙服を来た人形を載せて、車にカメラもつけてたんだけど、 ちゃんとそのカメラに地球と車が写ってる。すごいCGっぽくて、逆に驚かない。 まぁそんなことはどうでもいいんだけど、最初の動画の、「イエーーイ!!」みたいな歓声、どうしてもすきになれないわ。なんか日本もJAXAとかそういう「おっしゃー!」みたいな感じになっててやめてほしい。サッカーとかも。 相撲みたいに、勝っても静かに礼をして終わるみたいなのが好きだな。

雪の日に砂撒いてるの誰?

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寒い。でも今の日本の太平洋側もストックホルムと同じぐらい寒いっぽい。 もし、東京とストックホルムが同じ外気温なら、ストックホルムのほうが過ごしやすい。なぜならスウェーデンは元々寒い国なので、その対策がよく出来てるから。部屋の壁も厚いし、セントラルヒーティングだし。 雪が降ると、除雪車が頻繁に雪を除き、小石を撒いていく。結構隅々まで撒いていくのですごい沢山の人が関わってるんだろうなぁ。ちょっと疑問に思ったんだけど、雪の日に砂を撒いてる人は雪がない日は何してるんだろう。いくら北国と言っても、一年のうち3/4以上は雪は積もらないし、もし砂撒き専門の仕事なら結構暇だと思う。もし、普段は違う仕事をしていて、雪の日は砂撒きをしてるんなら、雪の日はかなりの現場で人手不足になるんじゃないかな。もしくは仕事前にボランティア感覚で砂を撒いてるとか。 ともかく、感謝感謝ですよ。僕は雪が降ると歩く速度が1/3ぐらいになるので、砂をまいてくれるのは本当にありがたいです。

ストックホルム大学へ

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午前中は、ストックホルム大学に出張。僕はほとんど職場以外の場所に行くことはないのでいい気分転換になった気がする。目的はある教授に会うためだったんだけど、11時に会う約束をしていたので、家を出る時間も遅くて楽だった。将来は11時出勤14時退社、もしくは家で出来るような仕事ができたらいいな。 ある教授と会って、すぐ帰る予定だったんだけど時間が長引いて、結局一緒にランチをすることになった。僕はこういうビジネスランチみたいなのが超苦手で、仕事の話をしながら食事するなんて食べた気にならないんだけどしょうがない。でも、何かしらの収穫があったと期待したい。 今回の出張で気づいたことが二点。一つは僕の英語力の低さ。一体いつになったら僕の英語は上達するんだ。伝えたいことの2割ぐらいしか話せなかった。相手の話もあんまりわからず、適当にうんうん言ってたらちょっと違う方向に行った気がする。分からないことを分からないと言えないから、英語が上達しないのかな。海外に住んで、英語で仕事をしているからと言って英語が上達するわけではないのだよね。 もう一つは、コミュニケーションの大切さ。僕の研究者のイメージは、アイザックニュートンのような孤高の天才で、他人とのコミュニケーションはほとんど必要なくてとにかく実力だけが大事だと思っていた。しかし実際はいろんな人の意見や提案を聞いたり、逆にしたりすることで研究は進んでいく。僕は他人とのコミュニケーションが苦手で研究者になったようなものなのに、コミュニケーションが必要であるとは頭を抱えてアチャーである。本当に実力主義なのって、プロ将棋師とかかな。転職すっか。

グローバリゼーションと紀元前のイスラエル王国

前に僕が言ってた、 国境をなくせばみんながハッピーになるわけではない というのは、旧約聖書のソロモン王国の分裂にちょっと似ているような気がしてきた。 ソロモンという人はイスラエル王国を強大、拡大していくんだけどその栄光によって国民が重税などによって苦しめられる。ソロモンの死後、反乱が起き、イスラエルとユダ王国に分裂するというのが旧約聖書の話。 現在でも、グローバル化により、超一部だけが権力を持ち、王のように振る舞う。その結果、99.9999%は苦しめられ、その結果反乱が起こる。 イギリスのEU離脱って結構イスラエル分裂にちょっと似てる気がする。 結局、国境なんて絶対に消えないんだろうな。