[DE→PL]寒波の中 最終回:ワルシャワへ行っただけ

定刻にベルリンを出発し、深夜バスはポーランドのワルシャワへ向かう。途中おそらく国境でパスポートチェックがあった。係員がバスに入ってきて、一人ずつパスポートを調べる。入国拒否される理由などないので、堂々としていればいいのだけど、どうしてもこの瞬間は緊張してしまう。

パスポートチェックが終わり、再びバスの照明が消え走り始める。リクライニングを倒し、足置きをあげて底に足を置くが、なんとなく金属の板の感触がある。暗くてよくわからなかったが、朝起きてみるとそれは前の若者のMac bookだった。思い切り踏んづけなくてよかった。


ワルシャワへ到着した。雪が降っていてベルリンよりもさらに寒い。
ポーランドはもちろん初めて入国する。実はスウェーデンの隣国で、ストックホルムから船で行けるぐらいの距離なのだが、あまり他のヨーロッパ諸国に比べ印象が薄い。北欧でもなく、西欧でもない。かと言って中欧や東欧のような雰囲気でもない。EU加盟国なのだが、どことなく共産主義的なイメージもある。

ポーランドのイメージもほとんどないが、ワルシャワ自体の知識も殆どないまま来てしまった。朝の九時に到着し、昼1時にはストックホルムに向かう飛行機に乗らなくてはいけない。その少しの間で、朝食でも食べようと中央駅に向かい、外に出たが店があるような雰囲気もなく、結局なにもしないまま空港に行くことにした。


「一体あなたは何のためにワルシャワまで来たんですか」と聞かれても困る。僕はワルシャワまで来て、何もせずストックホルムに帰るのだ。「欧州を陸路で繋ぐ」という無意味に近い旅をしているせいで、無駄な移動をしているのである。次来たときはしっかりと調べてワルシャワを観光しよう。

空港に向かうため電車のチケットを買う。今回のチケットは時間が指定されており、10:05に出発する。出発する時間はわかるが、ホームがどこかわからない。出発する少し前に、スマホをいじってる女性に声をかけてどこのホームか聞いた。女性はスマホで調べてくれているようだが、その間に彼女が乗る電車が来た。時刻は10:05.もしかしてこの電車に乗るのではと思い、僕もその女性に続いて電車に乗ろうとしたが、女性はこの電車じゃないと言った。10:05に出発する電車はこの車両しかなさそうだが、彼女は自信を持ってこの電車じゃないと言い、電車のドアが閉まると、向こう側のホームを指差した。

僕はその時、やはり僕が乗る電車はあれだったのではないかと思い、焦った。この電車を逃せば飛行機に乗り遅れる可能性がある。飛行機に乗り遅れると精神的、金銭的なダメージが大きい。

しかし、あとで彼女が指差したホームに言ってみると、そこが僕が行く電車が止まるホームだということがわかった。そして、出発時刻は本当は10:05ではなく、10:15
で、僕がそこのホームに行くと同時に電車が来た。運良く乗ることが出来、予定どおり飛行機にのることが出来た。


その後飛行機で寝ていた時、また家に帰って寝ている時、頻繁に飛行機に乗り遅れる夢を見た。その恐怖で目が冷め、「僕は今飛行機に乗っているではないか。」または「僕はもう家のベッドで寝ているではないか」と思い、ほっとするのである。

ということで、今回の旅はこれにて終了。見てる人いないと思うけど、次の旅もお楽しみに。