100の言葉よりも1の実行
#direction
ハウツーを100冊読んでも、それを実行しなければ意味がない。頭ではわかっていても実際に実行に移すことは結構難しい。大企業であっても数千万円かけてコンサルタントを雇って、それを実行に移すことはほとんどないのである。大学受験のときに参考書評論家になる生徒がかならずいるが、そういう人はどの参考書がいい悪いの情報ばかり手に入れて、実際に参考書で勉強することはほとんどない。私は大学院のとき、博士論文を書くのが非常に遅かった。博士論文は英語の文章を100ページ近く書かないといけない。もちろん中身はデタラメではだめで、データをもとにした論理的な文章を書く必要がある。やらないと卒業できないことはわかっているが、途方も無い作業に思えてなかなか作業に取りかかれなかった。その時、指導教官がこういった。「表紙をつけてファイルにすればそれは博士論文だ」。もちろん、本当に表紙のみでは、博士論文としては認められない。しかし、指導教官が言いたかったことは、「つべこべ言わず始めろ」ということである。たしかに、指導教官が言うとおりに一枚の表紙を作ったあとは、少し気が楽になった気がした。だから、一歩でいいからとりあえずやってみることだ。例えば、仕事でなにか資料を作らないといけないときは、「明日やろう」と思わずに白紙で良いのでファイルを作る、靴磨きをしなくてはならないときは、玄関に靴磨きセットを置いておくなど。