島津製作所の新型コロナ検出キット
島津製作所が素早く新型コロナを検出できるキットを発売した。画期的なようだが、従来のPCR検査キットとほとんど変わらない。
https://www.shimadzu.co.jp/news/press/zfdyn69049lnnr8r.html
ちなみに従来のPCR検査キットの手順は以下の通り
- 患者から粘液を取る
- RNAを抽出する
- RNAからcDNAに変換する
- コロナに特有のプライマーで増幅する
だったのが、島津の方法は以下の通り
- 患者から粘液を取る
- RNAからcDNAに変換する
- コロナに特有のプライマーで増幅する
ようするにRNA抽出のステップが除かれただけである。ただし、RNA抽出はめんどくさい作業である上に、機械化も難しいのでこのステップを取り除いたのはいいことだと思う。
RNAを抽出するというステップは、タンパク質など不要なものを取り除くということと同義である。タンパク質などが、RNAからcDNAに合成することを邪魔するのだが、島津はAmpdirectという技術で乗り越えているらしい。
Ampdirectの原理は以下に書かれてある
https://www.an.shimadzu.co.jp/bio/reagents/amp/princpl.htm
タンパク質は正・負に荷電しているものがあり、それがDNAや酵素を阻害する。それを中和するのがAmpdirect bufferというバッファーである。
https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1258/0004563001899726
Ampdirect bufferというのは企業秘密なのだろうが上記の論文に書いてある。何が入っているかはわかったが濃度はわからなかった。
Glucose
heparin Na
Triglyceride
bilirubin-F
bilirubin-C
haemoglobin