所用で東京に行き、泊まることになった。いつもは普通のビジネスホテルに泊まるのだが、それだと味気がないので、すこし変わった宿に泊まろうと決めた。場所はBook and Bed Tokyoという場所。本屋の中に宿を作ったような場所である。場所は新宿の歌舞伎町にある。東京はまん延防止等充填処置の影響で、午後8時には飲食店が閉まっている。しかし、なぜか歌舞伎町は騒がしい。東京に6年住んでいたが、久しぶりに東京に行ってみると東京の汚さに耐えられなくなってしまう。 歌舞伎町は騒がしいがこのホテルは非常に静かだ。受付を済ませ、空間に入る。上の写真のように、ベッドは本棚の間に挟まっている。カーテンのみで仕切られ、隣通しの壁も薄いため、人がいるとなかなか眠れなそうだが、この日はほとんど人がおらず、非常に静かに過ごすことができた。 到着したのが午後9時で、すでに眠かったがここで寝てしまってはこのホテルに泊まった意味がない。せっかくなのでソファで本をいくつか読んでみた。空間自体は全く広くはなく、本もそこまでバラエティがあるわけではない。多い本はデザインや旅に関する本である。いかにも個々の空間に合いそうな本が集まっている。 空間というのは、一つ一つ特徴があって、その空間に合った人が集まってくる。そのような人たちが本をおいていけば、おのずとその空間にあった本が集まってくるのだろう。安宿などではおいてある本を旅ににもらっていき、その代わり読んだ本を置いていく風習があるところがあるが、そうやって空間はさらに尖っていくのかもしれない。しかし、本も電子書籍になり、すべてを持ち運べるようになり置くものがないとそういう風習もなくなってしまうのかもしれない。例えばカフェなどで「なにか不要なものを置いてってください」などと書いたら面白い空間になったりしないだろうか。 さて、僕が一番最初にここで読んだ本は「Transit」である。雑誌というのは暇つぶしには最もよいものでないかと思う。対して本気で文字を読まなくてもなんとなく紙を見ているだけで楽しくなってくる。Transitはもう廃刊になってしまったと思っていたが、今でも現役で発行中らしい。 雑誌を1冊見ると、眠くなってしまい、本をたくさん選んでベッドに持っていった。以下がそれらの本である。ベッドに本を持っていくというのはなんともワクワクする。 ...