『アイデアの作り方』について

『アイデアの作り方』には、アイデアとは「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」であると書かれてあります。つまり、アイデアは天才だけが思いつくのではなく、すべての人が思いつくことができるのである。そのアイデアの作り方だが、この本によると、以下の5つの手順でアイデアが作られると書かれてある。

1 資料集め

2 咀嚼

3 放棄

4 エウレカ!

5 形にする


少し表現が独特でわかりにくいところがあるので一つずつ紹介していく。まず資料集めであるが、これはわかりやすいだろう。前述のように、アイデアとは既存の要素の組み合わせである。であるから、まずは既存の要素を集めてこなくてはならない。そして次の咀嚼というのは、まさにその要素を並べて要素同士を繋げていくことだ。しかし、それで新しいアイデアが生まれるとは限らない。絶望するまで考え、それでもアイデアが浮かばない場合は、いったんその仕事をすっかり忘れてしまう必要がある。それが3番目の放棄である。完全に忘れるといっても頭の片隅にはかすかにその仕事のことが残っている。そして、全く別の出来事から、新しいアイデアを突然思いつくことができるのである。それがエウレカである。エウレカとは古代ギリシャ語で、何かを発見・発明したときに叫ぶ言葉である。そして、そのアイデアを最終的に形にしていくのである。上記の5つの手順をもう少しわかりやすく書くと以下のようになるだろう。


1 情報を集める

2 その情報を並べ、まとめる

3 寝かす

4 ひらめく

5 形にする


ここで3の「寝かす」について解説する。1,2に関してはわかりやすいが、なぜ寝かす必要があるのか。それは、仕事から離れることで自分の脳を客観的にするためである。

例えば、あなたが重要な書類を作っているとする。金曜日に一通り目を通し、ほぼ完成したと確信する。しかし、土日を挟んで月曜日にその資料をもう一度見ると、数カ所に誤字脱字があることを発見する。さらに、論理的におかしい箇所も見つけるかもしれない。金曜日に一通り読んだのに、なぜそのときには気づかずに月曜日に気づくようになるのか。それは、金曜日のときにはまだ客観的な脳になっておらず、視野が狭くなっているからである。重要な書類を作っているということは、おそらくその週のほとんどをその資料を作ることに充てているだろう。そうすると、あなたはその資料の一字一句をほぼ覚えていることになる。そうなると、全て読み返しても自然と文字を飛ばして読んでいるのである。そして、意味はもちろん当然通じると言うことが前提で読んでいるから、どこもおかしいとは思えない。しかし、土日を挟んで程よく忘れることで、もう一度他人の気持ちで読むことができるのである。何かを作っているとき、それは殆どの場合他人のために作っているのである。だから、客観的な視点が必要なのである。さらに、客観的な視点を持つということは広い視野を持つということであり、資料を一生懸命作っていたときには気づかなかった新しいアイデアというのがひらめくのである。


sley


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