特に動き始めのハードルを徹底的に下げる
行動するときに得られる報酬が、行動するためのハードルを上回るときに人は行動する。つまり、行動のハードルを下げると行動しやすくなるのだが、特に動き始めのハードルを徹底的に下げることが重要だ。 僕はガソリンをいれるときになるべくエネオスでいれるようにしている。enekeyというキーホルダーを使うとワンタッチで料金を払うことができる。クレジットカードや現金よりも便利だ。僕がガソリンを入れるのは月に一回程度である。月に一度程度であれば、現金だろうがエネキーだろうが、労力なんて僅かなものである。それでも現金ではなくエネキーを選びたくなるのは、動きはじめのハードルが違うからである。当然のことながら、ガソリンを入れる前に現金を入れたり、エネキーをタッチする必要がある。ガソリンを入れるという行為の動き始めはお金を払うことだ。だから、動き始めが面倒な現金は選ばなくなるのである。 「ガソリンを入れる動き始めはまずバイクにエンジンをかけることではないか」と思われるかもしれない。たしかにそうだ。ただ僕の場合、ガソリンを入れるのは通勤の終わりが多いので、すでにバイクは動いているのである。だから、ガソリンを入れるという行為の動き始めはお金を入れることにある。 パソコンのほうが遥かに効率的なのに、ついついスマホを手に取ってしまうことはないだろうか。これも動き始めがパソコンに比べスマホの方がハードルが低いからである。たとえ、作業をする総合の時間がパソコンのほうがスマホよりも早かったとしてもスマホを手に取ってしまうのだ。本や映画を見るよりもSNSの短い文章や動画を見てしまうのもそのせいだ。 動き始めのハードルが低いと人は行動をしやすくなるというのであれば、やるべき行動の動き始めを簡単にし、やりたくない行動の動き始めを難しくすればいい。例えば、チェックしないといけない書類があるなら、前日に印刷して机の上においておこう。パソコンのほうが効率的だが、パソコンは電源をつけたり、書類を探したりと動き始めが遅い。挙句の果てに、SNSなどハードルが低く楽しめるものがたくさんある。