社会規範と市場規範
友人に「引っ越しを手伝ってほしい」と言われたら無料でやるのに、「100円で引っ越しを手伝ってほしい」と言われたら急にやる気が無くなる。それは、社会規範から市場規範に切り替わるためである。
社会規範とは簡単に言えば社会のために善意でやる行為。これは人間が利他的に考えているからである。市場規範は、お金儲けのためにやる行動。これは利己的な行動である。
会社でも、会社に愛着がある人は残業とか休日とか関係なく働くことがある。これは会社のため、社長のため、社会のためだと思って善意で労働力を使っている。しかし、それを利用としようと会社が思ってしまうと、従業員は一気に市場規範に気持ちが移ってしまい、それ相応の対価をもらわない限りやる気が無くなってしまう。
社会規範と市場規範は基本的には共存できない。会社はもちろん従業員を社会規範で動かしたほうが、安くあげられるのだが、安く挙げられると思っている時点で会社は市場規範で動いているので、従業員も社会規範では動いてくれない。