うつ病を克服する方法

 うつ病の友達とランチに行ってきました。普通に接していると何も感じないのですが、会社でパワハラに会い、会社にもいけなくなり、心療内科を受診しており、酒に入り浸るようになり、その結果倒れて救急車で運ばれたので立派なうつ病だと思います。

うつ病は以下の負のスパイラルからなります。

できない→できない人間だと思い込む→能力が落ちる→できるものもできなくなる→できない人間だと思い込む

これは学習的無気力と言って犬の実験でも示されてます。これは船が止まっている状態でなくて、後ろ方向にプロペラを回している状態です。プロペラ自体は一定速度でも回っていても、船は加速度的(福利的)に下がるので、大丈夫と思っていた状態から一気に生活に支障をきたすようになります。

船で言うと、後ろにプロペラを回している状態からまずはプロペラを止める。そしてちょっとでもいいからプロペラを前方向に回す。船自体はしばらく後ろに下がり続けますが、やがて止まって前に進むようになります。すぐに成果を求めてはいけません。

この負のスパイラルから抜け出すには、「できることをやってみる」しかありません。とにかくどんなに小さくても意味がなさそうなことでもできるようになれば、それが正のスパイラルになります。

できる→できる人間だと思い込む→能力があがる→できる

マインドと行動は互いに相互作用しています。「ランナーだから走る」のと「走るからランナーである」というのはどちらも正しく、この2つがセットになれば自然と走るようになります。逆に「ランナーじゃないから走れない」のと「走らないからランナーでない」のもどちらも正しいです。相互作用は、正にも負にも自然と転がっていきます。


ただ、友人にこれを言っても以下のような会話になります。

僕「なんでもいいからやってみれば」

友「なんでもいいと言われるとなんにもできない」

僕「なら腕立て伏せ一回やってみれば」

友「なんで?」

僕「健康になるじゃん」

友「健康はあまり興味ないな」

僕「別になんでもいいんよ。」

友「なんでもいいと言われるとなんにもできない」

僕「なら英単語一個毎日覚えれば」

友「なんで?」

僕「頭よくなるじゃん」

友「べつに頭よくならなくてもいい」

僕「頭よくならなくてもなんでもいいからやってみると、できる人という感覚になるよ」

友「なんでもいいと言われるとなんにもできない」


結局友人は、「何もしない」という言い訳を永遠と探しているだけです。なぜそういう選択をするのかというと、
1. 何かをすると自分の無能さがばれる
2. 自分で決めたことは自分で責任を追わないといけない
からです。

『7つの習慣』の犠牲者の状態です。自分で何かをすると痛みを伴い、しかもそれは自分の責任になります。しかし、他者から受ける痛みはそこまで感じません。現在の損失を過小評価し、未来のリスクを過大評価してしまう傾向にあるからです。虫歯を放置してしまうのもブラック企業に居続けるのもそうしたことが原因です。

しかし、「自分が主体的に犠牲者になっている」と感じさせるのは有効です。なんでもいいのもだめで具体的なのもだめなのは、結局何もやらないという結論ありきだったということを認識させるだけで、自分を変えることができるという希望になります。

あとは意味のなさそうな小さな行動をしていき、「決めたことをやる」⇔「決めたことができる人間である」という正のスパイラルを作っていくことで、うつから少しずつ脱していけます。そのときに、「頑張らなくてもできる」ことにする必要があります。プロペラが回っても船が動くのは遅れるので、それまで回し続ける必要があるからです。

残念ながら、心療内科は役に立ちません。患者は客なので来てもらったほうがいいからです。しかも、「自分でできない人間になっている」というと喧嘩になるので、そこまでリスクを負って診療はできません。結局は自分でどうにかしないといけないのです。

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