決めた、日本に帰ろう

二週間あまりの夏休みが終わった。日本人にとっては長い休暇だろうけど、僕は今まで何回か人生の夏休み(カタカナで表すとニート)を経験しているので、胃が口から飛び出るほどのことではない。

この夏休みを経てわかったことがある。僕は今の生活には向いていない。海外生活も向いていないし、今の仕事も向いていない。僕は今の仕事を求めていないし、仕事も僕を求めていない。

大体マイノリティなこと、例えば海外で仕事をするとか博士で研究の仕事をするとか、をするには、能力とお金を持っている人がするものだ。僕みたいなぼんくらは日本でせっせと雀の涙程度の税金を納めるべきだ。何も波風を立てず、そのまま土に埋まっていくべきだ。

定職につき、結婚し子供をつくり、家を買う同級生を今まで批判してきた。大学の頃は、色々夢を語っていたのに、今は子供のために自分を殺している。転がっているボールが、くぼみにハマって動かなくなっているようにみえる。しかし、彼らは正しい。間違っているのは僕だ。

地球に生まれたのだから、わざわざ日本に固執することは無いと思っていた。世界には200カ国あるのだから、その中から生活する場所は選べばいいと。でもそれは僕が間違っている。僕は日本人なのだ。他の国なら、特別な能力がない限り雇ってもらえない。僕には無理だ。

もうみんなには会えない。僕の友人は貯金が1000万あり、妻がいて子供がいて家を持っている。何も心配することはない。僕はそのすべてを持っていない。自慢できるものは何もない。このまますべての縁を切って、誰にも認知されず生きていくべきだ。