Appleに搾取されるApple信者たち

 Phone15が発表され、各種SNSではiPhone15がどれほどイノベーティブなのかをみんなが呟き、Youtubeでは発売日に到着するように、発売開始と同時に注文する様子が流されている。この様子は、資本主義というものの奴隷にされた人たちの典型である。僕はその人たちを馬鹿にしているけど、僕自身も最も簡単にそちらに転落する可能性があるから、転落しないようにいかに彼らが滑稽なのかを理解したいと思っている。

國分功一郎の『目的への抵抗』では「浪費」と「消費」を分けている。

浪費とは、いわゆる贅沢することであり、浪費には限度がある。いくら美味しいものを食べるとしても、胃袋には限度がある。

しかし、消費には限度がない。浪費は物を対象とするが、消費は、観念や記号や情報を対象とするからである。消費する人間は、流行りのものを買って、それを買ったという観念や情報が重要であり、それらをSNSにアップロードすることが重要であるからである。流行りのもの、最新のものというのは尽きることがないから、消費には終わりがなく、消費する人間は満足することがないのである。

流行りのものは簡単に生成できる。バスクチーズケーキ、マリトッツォ、カヌレ。これらが本当に美味しいのなら、なぜ現在も売り続けないのだろう。それは消費する人間をターゲットにしているのであり、消費する人間は流行っているもの、いわゆるインスタ映えするものしか興味がないからである。定着してしまうと、インスタ映えしないのだ。

iPhoneもまさに消費する人間をターゲットにしている。iPhoneは毎年新しいモデルが発表される。大して機能が変わるわけでもないのに、イノベーションが起きたように毎回発表される。それに消費する人間は踊らされる。その人達は、この機能が必要だから、今の端末から変えるという。正当な理由に聞こえるが、これも消費の特徴である。消費は、ある目的をもたせ、その手段として消費させるのである。浪費は贅沢だから、そんなに頻繁に行うことはない。しかし消費は、贅沢ではなく正当な理由をもたせることで永遠に称させることができる。

そもそもiPhoneにそんな性能が必要なのだろうか。カメラが進化したからと言って、みんなそんな大した写真を取っているのだろうか。みんなただTwitterをやっているだけではないだろうか。それでも、何らかの目的をもたせ、古い機種ではできないと思わされるのである。OSをアップデートさせ、古い機種はOSのアップデートを行わない。Appleはカーボンニュートラルを謳うのなら古い機種も長く使えるようにするべきではないだろうか。

消費させられないためにはどうしたらいいだろうか。それは型落ち品を買えばいいのだ。値段も下がるし、十分使える。そもそも一年前は、この世で革命が起きたと思わせるぐらいの宣伝をしていたのだ。革命が起きるぐらいの品なら、一年ぐらいで古臭くはならない。

#Apple #Apple信者 #iPhone15

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