紙にメモを書こう

私達は紙に文字を書くことがほとんどなくなった。スマホを触らない日はないが、一日一回もペンを持たない日はあるだろう。もはや文字を書くときは、荷物を受け取ったときのサインやホテルに泊まる際に名前や住所を書くぐらいだろう。仕事の文章を書くときはWordで書き、計算はExcelで行い、プレゼン用のスライドはPowerpointで作る。友人との連絡はLINEで行う。なぜそうなったかといえば、便利だからである。友人の週末の予定を聞くときにわざわざはがきを送ることはないだろう。

しかし、紙とペンを使ったほうがいいときがある。それはメモをとるときだ。メモといっても電話の取次や、夕飯の買い物リストを作るだけではない。自分が思ったこと、なんとなく頭の中にあるものを具現化するときに紙にメモをするのである。

デジタルデバイスを使ってメモするときと比べたときに、紙にメモをすることのメリットは2つである。一つは自由度の高さ、もう一つは並べ替えのやりやすさだ。紙の上にペンを走らせればどんな線でも書くことができる。Wordではそうはいかない。Powerpointも自由度が高いアプリだが、それでも紙にペンで線を書くほどの自由度はない。紙とペンを使えばどこにどんな大きさの文字も簡単にかけるし、言葉で伝えられないときは、絵もかける。絵を描くのが下手な場合でも、自分が理解できるぐらいの絵はかけるだろう。メモはあくまで自分が見るものだからそれでも問題ない。だが、今はデジタルペンとタブレットで紙と同じように書くことはできる。しかし、二番目のメリットである並べ替えのやりやすさに関しては紙には絶対かなわない。デジタルデバイスは画面の大きさ以上に表示できない。その点紙を並び替えるときには、机が大きくなればなるほど紙を並べられるし、床において並び替えてもいい。

なぜ紙を並べるのか。それを今から説明する。その前に、何をどうやってメモするのかを説明しなければならない。メモの内容だがそれは何でもいい。思いついたことを書けばいい。それが文章にならなくても全く問題ない。途中でメモが書けなくなってもとりあえず紙の上にペンを走らせよう。紙の大きさとフォーマットは、『ゼロ秒思考』を参考にする。まず、紙はA4の大きさがいい。A4サイズの紙が最も普及しているのは人間にとって使いやすいからだ。普及しているからどこでも買えるのもメリットだ。メモといえば付箋サイズの紙の大きさを思い浮かべるが、紙はなるべく大きい方がいい。大きい紙にちょっとの文字を書くことはできるが、小さい紙にたくさんの文字を書くことはできないからだ。しかし、A3は大きすぎる。そもそもA3の紙を簡単に机を広げられるほど、私達の机は片付いていない。A4の紙を横長になるように置こう。そっちのほうが大きい字をかきやすくなる。そして、左上にタイトルを書いて、それがタイトルであるとわかるように線を引く。そして右上には日付を書く。そして、頭に思い浮かんだことをどんどんメモしていく。ここで注意しないといけないのは、一つの紙に1テーマしか書かないことだ。複数テーマを一枚の紙に書いてしまうと並べ替えるのが難しくなる。そして、メモが溜まったら、いよいよ並べかえるときだ。紙を、似た内容でまとめよう。そうすると、かなり重複する内容のメモがあることがわかるはずだ。メモが増えれば増えるほど、重複する内容が多くなるはずだ。つまり、私達は頭に浮かんだことや悩みが無限に出てくると思いがちだが、同じ内容が何回も出てきているだけなのだ。それを知るだけでもメモをとる意味がある。しかも、悩みの解決策をメモしておけば悩みが一個潰すことができる。同じ悩みが何回も頭の中に現れると思えば、悩みを一個潰すことは人生にとって大きなメリットになるのだ。

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