最後の旅 キエフ到着
キエフに到着したのは、午後の3時5分。到着予定時刻は3時9分である。適当に走っているようで、かなり正確に走っていたようだ。この列車はモスクワ行きなのだが、キエフも大きな都市なので多くの人が乗り降りをする。
昨日の夜から寝てばっかりなのだが、朝から水以外口にしていないのでさすがに腹が減った。まずは駅の売店で何か食べることにする。キエフは今回訪れる場所で最も大きな都市であり、駅も最も立派であった。駅の中にあったカフェで、チョコレートがたっぷりかかったクロワッサンとコーヒーを頼む。今までの都市とは違い、完全にロシア語だ。英語もほとんど通じない。
腹が落ち着いてきたので、まずはベラルーシ行きのチケットを取ることにする。ベラルーシは、ヨーロッパの国で唯一ビザが必要な国である。そのビザを取る際には、予めチケットを取っておかなくてはならない。ということでここでベラルーシの首都、ミンスク行きのチケットを取ることにした。キエフに到着したのは水曜日。この日は大使館は空いていないので、明日ビザを取り、明日の夜に出発するチケットを取った。グレードにより、3つに分かれているらしく、最後の寝台列車ということで、二番目の4人席を取ることにした。1800。
無事チケットが取れた。これで明日ビザが取得できればついに最後の国ベラルーシに入国できる。本日できることはないので予約していた宿に向かう。予約していたところは駅から街を通り抜けたところにある。宿に向かう際に街の中心を歩いたが、キエフの街は想像以上に栄えており、きれいだった。宿に到着し、チェックインをする。受付の人は全く英語ができないらしいが、やることはチェックインをし、金を払うぐらいなので問題なくチェックインできた。まだ寝るには早すぎるので、夕飯を食うことにする。受付の人におすすめのレストランを聞いた。レストランはロシア語でもレストラン(スペルはPECTOPAH)なので、意思疎通ができた。受付の人がおすすめのレストランの名前を紙に書いてくれ、それを頼りにそのレストランを探す。2つのうち一つを見つけそこに入ることにする。
このレストランがあたりだった。僕は旅ではなるべく金を使わずに、現地の人が食べているところに行きたいのだが、まさにそういうレストランを教えてくれた。そのレストランは、学食のようにカウンターで注文する方式である。まずはスープを選ぶ。僕が外国人であることがわかると、店員は「ボルシチ?」と聞いてきて、僕はそれを注文する。ボルシチはロシア料理と思われているが実はウクライナの料理なのである。それと、ピーマンの肉詰めとピラフを頼む。金額は500円程度。満足な食事である。
それから宿に戻る。受付の人にちゃんとレストランを見つけられたと伝え、シャワーを浴びて夜の7時頃には寝た。午後の3時まで寝ていたのに、それでも眠れるものである。