最後の旅 キシナウをうらつく

中央駅を出たが一体そこからどこに行けばいいかわからない。周りを見渡してみると、鉄道で同じ部屋に泊まっていた若い男性が声をかけてくれた。街の中心を教えてくれ、そちらを歩いていると後ろからその若い男性がついてきた。彼はキシナウ出身で、今はブカレストで働いているらしい。バスを待っていたがなかなか来ないので、僕と一緒に歩くそうだ。

中心街まで歩いて、彼が朝食の場所を探してくれた。人気のチェーン店らしく、そこで一緒に食べることになった。流暢な英語をしゃべるので、高学歴だと思ったら、彼は医者をやっているらしい。弟はドイツ人が経営するチェコの工場で働いていたらしいが、ドイツ人が人数が多すぎるということで突然解雇され、モルドバに戻ってきたそうだ。

モルドバEUではないので、他のヨーロッパで働くときにビザが必要ではないかと聞いたら、モルドバ人はルーマニアのパスポートを持っていることも多く、ルーマニアはEUなので他のEU諸国には働けるらしい。

食べ終わり、もしかしたら案内してくれたお礼にこちらが払わなければならないかと思ったが、ちゃんと割り勘になった。

朝食を食べ終え、彼と別れた。そこから近くの大聖堂に向かう。中は撮影できないが、ゴテゴテな作りになっている。大聖堂の外の公園で休憩しようと思ったが、寒くて外に出ていたくない。そこで民俗自然学博物館に行くことにした。10レイと安かったが、大して面白くはなかった。人はほとんどおらず、僕が進むたびにその方向の照明をかかりの人がつけてくれた。中で休憩するところがなかったのでそそくさと出て、近くのレストランで食事をし、カフェで休憩をした。

モルドバは物価が安く、何よりも食べ物が美味しい。ワインの一大産地らしいが、僕は酒を飲めないので、あまり興味はない。その後も休憩しながら街をぶらつく。次の目的地はキエフ。鉄道は9時半発なのでそれまで駅で待つ。