線をつなげる その6:二回目のイタリア入国
チューリッヒに一泊し、次の日はイタリアのミラノに向かう。ミラノ行きのバスは朝の五時出発だが、その時間はまだ公共の交通機関が動かないらしく、ゲストハウスから中央駅まで一時間歩かなくてはならない。
少々迷ってもいいように、朝3時半にゲストハウスを出発した。もともと朝食付きのゲストハウスだったが、もちろんこの時間から朝食はやっていない。そのかわり、サンドイッチとリンゴとバナナを持たせてくれた。暗く肌寒い外を一時間歩き、朝4時半にバスターミナルに到着した。
すると、すぐにミラノ行きのバスが来た。しかし、近づいてみるとこのバスはもともと3時半に出発するバスだった。つまり1時間の遅れである。もしかすると僕が乗るバスも遅れるかもしれないと不安がよぎった。
その不安が的中した。結果的に、バスは2時間遅れて7時半に出発した。一体なんのために朝3時半にゲストハウスをでたのかわからない。この膨大な待ち時間の間に、イケメンのイタリア人が1人の女性をナンパして、途中に二人で茂みの方へ向かっていった。
バスに乗り、イタリアへ向けて出発する。スイスは終始天気が悪かったが、イタリアに行くに連れて、晴天になってきた。途中、薄っすらとではあるが雪山を見ることが出来た。
約2時間ほどして、ミラノに到着。中央駅ではなくハズレの駅に到着したのでそこから電車で中央駅に向かう。
ミラノの中央駅に着き、あまりの大きさに驚いた。今までさんざんヨーロッパの駅に行ったが、おそらく最も天井の高い駅ではないだろうか。
まずはイタリアに到着した際の儀式として、エスプレッソを飲みに行く。香川県の人が忠実にうどんを食べているのと同様に、イタリア人も忠実にエスプレッソを飲んでいる。僕は基本的にはエスプレッソは飲まないのだが、イタリアに来たら必ずエスプレッソ「しか」飲まないようにしている。しかも一杯1ユーロ程度で、躊躇する必要もないぐらい安い。
ミラノ中央駅に、ちょうどいいFancyなカフェのようなものがあり、そこでエスプレッソを飲む。
エスプレッソを飲み終わり、少し早いがゲストハウスに向かう。次の日も朝早くにでなくてはならないので、今回は駅の近くのゲストハウスを予約した。その名もHotel Central Station。ただし駅の中ではなく、駅のすぐ横にあるゲストハウスである。
ここのゲストハウスはスイスで泊まったホステルとは対照的に、いかにもゲストハウスのような雰囲気であった。インド風の若者が、スマホをいじりながらレセプションカウンターにいる。その男性に予約してある旨を伝えると、ノートに自分の名前を書いて鍵をもらう。廊下には、中華風のおじさんがタンクトップ姿で小さい子供をかかえてウロウロしている。この雰囲気は懐かしい。
少し寝て、ミラノの観光に出かける。
続く・・・