岸の向こうのバカデカ船

僕が住んでいるのは、Lidingoという島で、通勤路の途中に海が見える。向こう側はストックホルムが見える。職場から歩いて帰っていると、ついさっきストックホルムを出発した大きな船が見えた。あの場所は、フィンランドやエストニア、ロシアに行く船が停泊する港で、おそらくあの船もどこか海外に行くのだろう。

国境をまたぐ船というのはそれを見ただけでロマンを感じる。あの船の中には少なくとも二カ国の人がいて、それぞれの思いで旅をしているのだろう。仕事の場合はほぼ飛行機を使うだろうから、あの中にいる人はのんびり旅行している人か、もしくは高所恐怖症で飛行機に乗れない人だけなんだろうな。

現在のストックホルムは100点満点と言っていい気候である。これ以上の過ごしやすい天気というのはあるのだろうか。Tシャツで過ごせるぐらいだが、熱すぎない。夜10時ぐらいまでは電灯がなくても明るい。

神谷美恵子の『生きがいについて』に書かれてあったことだけど、私達は
自分で生きているのではなく、人・自然・神・宇宙に生かされているのだそうだ。その裏返しとしてそのものたちに生かされていることへの責任感を感じたときに、それが生きがいだという。たしかに、この気候は僕に「生きてください」と言っているような気がする。僕はもう来年にはストックホルムにはいないけど、まだどこにいるのかはわからない。ただ、どこにいたとしても一生懸命に生きるということだけは、宣言します。