線をつなげる その2:ケルンに到着
電車の中の記憶はほとんどない。ハンブルグからケルンの電車の中ではほとんど寝ていた。起きたら外は明るくなっていて、程なくしてケルンに到着した。
ケルンに来た目的はただ一つ、大聖堂を見ることである。ケルンにはゴシック建築としては世界最大となるケルン大聖堂がある。完成までにかかった期間はなんと632年。あなたは、もし上司に「これから632年後に出来る教会の建築、してんない?」と言われたら本気でやるだろうか。僕は絶対にやらない。そもそも600年後に、今いる場所が本当に同じ国なのか、はたまた人間は未だいるのかどうかもわからないのに、本気になれるわけがない。ただ、世の中にはまじめな人もいて、600年以上かかるものを本気で作ってくれる人がいるらしい。その御蔭で僕たちはこの素晴らしい建築を見ることが出来るのだ。
ケルン大聖堂は、駅のすぐ隣りにある。駅の中からすぐにすでに大聖堂が見える。
こちらが全景。
有名な観光地の1つであるが、ひとがほとんどいない。朝7時から中に入れるらしいが、本当に入れるのかよくわからない。少し待って、中から出てくる人がいたので聞いてみたらもう中には入れるらしい。
中にはほぼ人がいない。この巨大な建築物にほぼ貸切状態で、しかも無料で入れるのはなんとも贅沢な時間である。
こちらは世界で最も有名な現代アーティストの一人、ゲルタルトリヒターのステンドグラス。
ケルン大聖堂の他にはケルンでやることがないので、中にしばらく座っていた。僕が入ったあとから徐々に人が増えてくる。早めに入っといてよかった。
ケルンのあとはミュンヘンにバスで向かう。バスの出発がケルン空港なので、空港まで行くのだが、どの電車に乗ればいいのかわからない。駅員に聞くと、無骨な表情で「11:11」と時刻だけ教えてくれた。ドイツ人は実直で真面目というイメージが合ったのだが、そのイメージにぴったりな人であった。
ケルン空港には10分ほどで着き、そこからバスに乗る。このバスは今までで一番疲れたバスだった。まず乗車時間が10時間もある。さらにほぼ満員で、後ろのグループがうるさくてほぼ眠れない。もしかしたらバスは前のほうが静かな人が多く、後ろに行くほどうるさい人が多くなるのかもしれない。大学の講義の時と同じ原理ですかね。
足が腐るのではないかとおもいながら、座り続けついに夜10時にミュンヘンに到着した。
続く・・・