100分de名著 サルトル その1:実存主義とは

「実存は本質に先立つ」という思想。難しく言っているが、そんなに難しいことではない。本質というのは、その物体の目的、存在意義。実存というのは、存在そのもの。

例えば、コップは「飲み物を入れる」という本質(目的)が先にあり、その後にコップが作られる。つまり、本質のほうが実存に先立っている。

しかし、人間は目的をもってこの世に生まれてきたわけではない。まず存在があり、その後にこの世におけるその人の役割や目的が決まってくる。

つまり、人間は生まれた時には白紙の状態であり、自らの決断によって人生を作りあげていかないということ。

この考えは、『夜と霧』を書いたヴィクトールフランクルとほぼ同じ。彼も「人生があなたに期待しているのだ。」と言っている。