Mariefred: メーラン湖に面した小さな町
涼しく明るい夏が終わろうとする頃、スウェーデンのストックホルムから60kmほど西にあるMariefred(マリエフレッド)という町に行ってきた。
まずは、ストックホルム中央駅からレッゲスタという駅まで郊外列車で行く。
レッゲスタからマリエフレッドまで、およそ4kmを蒸気機関車が走っている。この蒸気機関車は現在はNPOが運営しており、公共交通機関というより観光用の乗り物になっている。
蒸気機関車は日に数本しか運行しておらず、僕が降りた駅から乗り換え時間は2分しかない。しかも電車の駅から蒸気機関車の駅が離れており、電車から降りて急いで蒸気機関車の駅に行く。
なんとか出発時刻直前に着いたがその前にチケットを買わないといけない。チケットカウンターには二人が並んでおり、間に合わないかと思ったが、終点で買っても良いということだったのでチケットを買わずに機関車に乗り込んだ。
運転手は女性 |
行き先は完全なアナログ式で変える |
レトロな制服を着ている |
機関車の幅は非常に狭く、速度も遅い。遊園地にある乗り物のよう。
機関車は速度が遅いので、車両から身を乗り出すこともできる。スウェーデンらしい森を縫って走っていく。蒸気機関車の煙の匂いを感じる。子供の頃に地元で乗ったSLを思い出す。
マリエフレッドに到着。駅はカラフルな建物。とても気候が良い。
マリエフレッドの町自体も、先ほどの駅のようにカラフルで建物が低い。スウェーデンに特徴的な建物で「北欧ランド」というテーマパークがあればこんな雰囲気だろう。
Mariefred Church |
スウェーデンはどんなに小さな町でも教会があり、大抵はその町で一番高いところにある。ミサ中や閉まっている時以外はほとんど入ることにしている。
写真では伝わらないが、教会の中は、ろうそくの匂いが立ち込めている。その当時最新の技術を用いて天井を高くしており、音が気持ちよく響く。
マリエフレッドの一番の見所は、グリップスホルム城である。
14世紀後半、ボー・ヨンソン・グリープという著名人が要塞を建て、その後政府に没収し城を建設し、グスタヴ・ヴァーサ王の永年住宅となったところである。いかにも城っぽい城で、観光地としても評判がいい。
内装はまさに古い城という雰囲気で、ホーンテッドマンションのよう。城自体が王族を描いた絵画のコレクションになっており、部屋中に絵画が飾られている。
このヘンテコな顔のライオンは、一時期ネット上で話題になった有名なライオンらしい。
ストーリーは以下の通り。
当時、スウェーデンの王がライオンやハイエナなどを贈られ、ユールゴーデンのRoyal Game Parkという所で飼われていた。ライオンが死んだあと、残った毛皮や骨などから剥製を作ったのだが、それらを送られた剥製師が、ライオンのことをあまり知らず、なんとなくの雰囲気で作ったのがこのライオンだそうだ。
https://history.stackexchange.com/questions/7983/what-is-the-real-story-of-the-lion-of-gripsholm-castle
このストーリーはタンザニアの有名なポップアートであるティンガティンガにも似ている。ティンガティンガも実物よりもかなり修飾された動物が描かれてあるが、あれも当時動物を見たことなかった人が描いたものが最初らしい。
城を出てランチ。スウェーデンはランチが高く(どんなに安くても1,000円は超える)、量も多いので日本よりも気軽ではない。Slottspaviljongen Restaurangという場所でハンバーガーを食べた。たしか1500円位。
帰りは行きと同じく電車でもいいが、夏に限り蒸気船がストックホルムまで走っている。時間は3時間(電車は1時間)、料金は3500円(電車は1000円)と割高だがせっかくだからと蒸気船で帰ってみた。
中でチケットを買おうとすると、乗組員が「コネクションがありません。」と日本語を喋ってきた。片言ではなく流暢な日本語。しばらく待ち、その乗組員が「次はつながると思います。」と僕に話しかけてきた。なぜ日本語を喋れるのかは聞かなかった。
スウェーデンの船はこのように中が木造になっていることが多い。乗客はそこまで多くはない。日は明るいが、もう夜の8時。道中の半分は寝ていた。
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